9/20にA81-Eが届いてしばらくいじっていましたが、まともに動くシロモノではありませんでした。
いろいろといじってようやく安定して使えるところまでもってこれたので、その設定方法を書きます。

Witstech本家(英語)
A81-Eまとめwiki
中華Padまとめwiki
slatedroidのA81-Eフォーラム(英語)
あたりを参考にして設定しました。

※以下の内容を実行するには一部Androidの開発環境(Android SDK)が必須です。また、コマンドラインを使うのでコマンドラインの知識も多少必要になってきます。
※以下の内容はWindows7 Enterprise(32bit)および、Windows7 Professional(32bit)で確認しています。他の環境の方は適当に読み替えてください。
※いわゆる中華Padは個体差があるので、以下の内容でも正常に動くとは限りません。
※この説明では端末のファイルを修正しますが、バックアップ処理を省略しています。ファイルのバックアップは各自で行ってください。
すべて自己責任で...


作業の前に
作業用のディレクトリ(C:\A81E等)を作成しておきます。以下、出てくるコマンドラインは作業用ディレクトリ(work)をルートとして扱っています。

■プリインストールアプリのバックアップ(※要Android SDK
ファームウェアをアップデートするとプリインストールアプリのほとんどが消えてしまうので、apkをバックアップしておきます。
apkは「/data/app/」、「/system/app/」の2箇所に入っています。
分かりやすいように、workに「_data_app」と「_system_app」とでもディレクトリを切っておきます。

ディレクトリを切ったら、コマンドラインでapkをバックアップします。
adb pull /data/app/ _data_app/
adb pull /system/app/ _system_app/

■ファームウェアのアップデート
※ファームウェアを書き換えるとなぜかWi-FiのMACアドレスが書き換わります。
古いファームウェアではいろいろと不具合があるみたい(最新でもあるけど)なので、 最新のファームウェアにアップデートします。
2010/09/24時点の最新は0831版(0831_2.2_BT_USB)のようですが、ここではslatedroidで配布されているカスタムROM(ADEPTUS custom ROM FRWL_01)の導入の仕方を説明します。
このカスタムROMの特徴は
・オリジナルファームウェアで不具合のあるバッテリー情報の更新を追加している
・プリインストールされているアプリが異なる
・rootedされている
現在、Revision 3まで出ていますが、Revision 1はオリジナルのFW0823を元に作成していて、Revision 2とRevision 3はFW0831を元に作成されています。Revision 3は、プリインストールされているアプリがほとんどありません。
また、起動時の画面がこんな感じにカスタマイズされています。
オリジナルFWを導入する場合は下記の2.と3.のステップを飛ばしてください。
FWの書き換え方法は、このへんこのへんを参考にしました。

・導入手順
1. 公式サイトより、最新のファームウェアとSDカードのフォーマットツール(HPUSBFW.EXE)をダウンロードして、適当なところに展開します。
2. slatedroidから導入したいCFWをダウンロードして適当なところに展開します。
3. 1でダウンロードしたオリジナルFWの「ubi.img」を2でダウンロードした「ubi.img」に差し替えます。
4. 後は、参考サイトの手順通りに進めます。


■root権限の取得(※要Android SDK
※上記FWの書き換えでカスタムROMを導入した場合は必要ありません。
※カスタムROMを導入したので以下の内容は確認できていません。
root権限を取得するには、「su-x.x.x.x-ef-signed.zip」(xはバージョン番号。2010/09/24時点ではsu-2.3.6.1-ef-signed.zipが最新?)というファイルをダウンロードします。
zipを適当なところに展開して以下のコマンドを実行します。
1. suファイルを端末に配置
adb push su /system/bin/
2. suファイルに実行権限を与える
adb shell chmod 4755 /system/bin/su
3. Superuser.apkを端末に配置
adb push Superuser.apk /system/ap/
4. 端末を再起動
adb shell reboot

■バッテリー情報の更新サービスの作成(※要Android SDK
オリジナルFWではバッテリー情報が起動直後にしか更新されないようです。そのため、バッテリー残量がわからなくて、突然電池切れで電源OFFということがあるようです。
ここでは、バッテリー情報の更新スクリプトをサービス登録して情報が更新されるようにしています。
※CFWを導入した場合は既に同じ内容が入っているので行う必要はありません。
※Android用のScriptを作成するので、改行コードが「LF」で保存できるエディタを使用してください。
※このサービスを追加してもバッテリー情報は当てになりません。スリープから復帰直後は必ずといっていいほど100%になっていますし、USBを抜き差しするだけでバッテリー残量が増減します。今まで70%近くあったのに、突然20%を切るような動作が普通に出てきます。多少ましになるかな?程度に考えていてください。


この内容はここを参考にしました。

1.
バッテリー情報更新用のShell Scriptを「batupdate」という名前で作成する
#!/system/bin/sh
(while true; do
sleep 30
echo > /sys/class/power_supply/wits_battery/uevent
done) &
2. 端末に配置する
adb push batupdate /system/bin/batupdate
3. batupdateに実行権限を与える
adb shell chmod 4755 /system/bin/batupdate
4.init.rcを端末から取得する
adb pull /init.rc init.rc
5.init.rcにサービスの起動情報を追加する
以下の内容をinit.rcの最下行にでも追記してください。
service batupdate /system/bin/batupdate
        oneshot
6. init.rcを端末に戻す
adb push init.rc /init.rc
7. 端末を再起動する
abd shell reboot

 ■Wi-Fiの11nを無効にする(※要Android SDK
この端末のWi-Fiモジュールは11nに対応していない(はず)ですが、設定では11nが有効になっています。そのためか、Wi-Fiの接続が安定していないという話が出ています。
設定ファイルを書き換えて、11nを無効にしてWi-Fiを安定させます。
1. 端末からtiwlan.iniを取得する
adb pull /system/etc/wifi/tiwlan.ini tiwlan.ini
2. tiwlan.iniを書き換える
HT_Enableを検索して、下記のように書き換えてください。
HT_Enable=1

HT_Enable=0
3. 端末に戻す
adb push tiwlan.ini /system/etc/wifi/tiwlan.ini
4. 端末を再起動する
adb shell reboot

■Marketを開放する
この端末はMarketアプリが載っていますが、検索してもほとんどのアプリが表示されません。ここでMarketでアプリが検索できるようにします。
詳しい手順はYouTubeの動画を参考にしてください。

1. Marketアプリを立ち上げて検索してもヒットしないことを確認する(以下の手順で「実行中」に表示させる意味もある?)
2. [設定]→[アプリケーション]→[アプリケーションの管理]を開いて[実行中]タブを選択する
3. 一覧の中から[マーケット]を選択する
4. 「キャッシュの消去」をタップ後、「強制停止」をタップ
5. 一覧に戻って[Googleサービスフレームワーク]を選択する
6. 「データ消去」をタップ後、「強制停止」をタップ
7. 再度Marketアプリを立ち上げてエラーが出ることを確認する
8. 端末を再起動する

以上でほとんどのアプリがMarketで検索できるようになっているはずです。
※検索できるだけです。Twicca等、検索できてもインストールできないアプリも数多くあります。
Marketの開放には他にも、fingerprintを偽装するとか、android_idを書き換えるとかという情報もあるようですが、上記を実行した後では特に変化はないようです(上記の方法が判明するまでは多少の効果はあったようです)。そもそもfingerprintやらandroid_idやらを書き換えてライセンス的に問題ないの?という疑問もあります。

まとめ:
ここまでやってようやく普通に使えるレベルになると思います。あくまでも普通に使える、というだけすが...
この端末を購入・検討している人も多いと思いますが、初心者が手を出すには敷居が高すぎる端末だと思います。
今後のFWのアップデートやCFWなんかでどんどん使いやすい端末になってくれば面白い端末になることが期待できるのではないかと勝手に思っています。


おまけ:
一応、Twicca等のアプリがインストールできない理由は(たぶん)判明しました。その理由を解決してやればこのようにTwiccaをA81-Eにインストールすることはできます。
が、これまたライセンス的にどうなの?って対策なのでヒントだけ。
インストールできないアプリは、おそらく、google mapのapiを使用している&A81-Eにはgoogle mapのapiが搭載されていない。